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第8期オープンセミナー③「ライフシフト基礎」レポート

人生100年時代を迎えた今、定年退職後の40年を、あなたはどう生きていきますか?ライフシフト大学では、人生100年、80歳現役の時代を豊かに生き抜く中高年の学び直しの場、人生を豊かにするための視野拡大の他流試合の場を提供しています。そんなライフシフト大学が2023年春に第8期を迎えるにあたり、オープンセミナーを開催!本レポートではその第3回目の様子をお伝えします。

人生100年時代、少子高齢化・・・我々を取り巻く現実

第3回目(2022年12月13日開催)は「ライフシフト基礎」をテーマに、これからの時代に求められるミドル・シニア世代の躍進戦略について、ライフシフト大学理事長の徳岡晃一郎講師がご紹介です。

2020年の平均寿命は女性87歳、男性81歳、最多死亡年齢を見ると女性は93歳、男性は88歳となっており、日本人の寿命は着々と伸びていると言えます。その一方で、人口は2008年の1億2808万人をピークに減少傾向にあり、2021年の人口は1億2550万人。さらに出生率も下がっていて、2021年の出生数は81万人という数字が出ています。このままいくと2053年には人口が1億人を割り込み、毎年70万人近くの人口が減り続ける時代になることが予測されています。

急激な少子高齢化が進むということは、15~64歳の生産年齢人口が極端に減少し、経済規模の維持が困難になるということを意味します。もし現在の経済規模を維持するのであれば、劇的な生産性向上が必要ですし、65歳以上の人の労働も求められるでしょう。つまり高齢者になってもいかに元気でいられるかが重要になるわけです。すでに高齢者として生きざるを得ない時代へと突入していますから「長く働きたい」と考える人も増えています。2018年11月に内閣府が行った「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」によると「70歳まで働きたい」と解答した人は全体の21%、「70歳以上でも働きたい人」と合わせると40%近くいるという結果が出ています。

2020年の国勢調査によると、70歳男性の就業率は45.7%と実際に多くの高齢者が働いている世の中になっています。何歳まで生きるかわからない時代だからこそお金が必要です。実際に「70歳を過ぎても働きたい」理由の50%以上を占めているのが「お金の心配」でした。しかし、50代以降の有効求人倍率は0.45倍とかなり厳しい数字になっています。さらに非正規雇用であることが多いこと、60代になると求人は「警備員」「マンション管理人」「タクシー運転手」など選択肢が限られてしまうことが多いのが現状です。自分のありたい形で社会と長くつながる。そのためには、いかに価値を生み出し続け、社会から求められる人間として生きるか、なおかつ自分がやりたいことをやれる生き方が重要になってきます。

 

3ステージ型人生からマルチステージ型人生へ

これまでの人生80年時代は60歳で現役を退き、20年間の老後を楽しむ「3ステージ型人生」と呼ばれていました。しかし今は人生100年時代・80歳現役時代です。少子化が進むことによって若い働き手が不足する穴を埋めるため、ミドル・シニア世代が現役で頑張り続けなければなりません。つまり60歳以降のキャリアをどう維持するか、どう楽しむかを問われる「マルチステージ型人生」へと突入しているということです。この「3ステージ型人生」から「マルチステージ型人生」への変化をライフシフトと言います。

会社に所属していれば65歳までは法律で守られていますから、うまくライフシフトできなくても、ある程度のところまでは行くことが可能です。しかし、そんな気持ちで長く生きていると「過去の肩書や経験に固執する」「柔軟性に欠ける」と若手やミドルに煙たがられる存在になりかねません。

 

成長戦略を考える時間を積極的に確保することが必要

ライフシフトを成功させるには20年後に自分がなりたいと思う姿を描き、そこから逆算する「成長戦略」を考えることが必要です。しかし、多くの人は目の前の仕事や生活に時間を取られてしまい、長期目線での自分作りについて考える時間を取れませんでした。しかし、毎日一生懸命に目の前の仕事をして、今の会社・組織で昇進し、生き延びるスキルを磨くだけの「競争戦略」では、日銭を稼ぐことはできても未来を変えることはできないのです。

日々の仕事や生活に追われる中でライフシフトを成功させたいのであれば、強制的に自分作りのための時間を作り出すしか方法がありません。ライフシフト大学はその時間を作り出す場でもあります。ライフシフト大学では常に学び直し、時代の変化に合わせて自分を作り変える「終身知創」を掲げています。ワークやディスカッションを通じて成長戦略を考え、人生100年時代を見据えたバランスあるキャリア観を育てることが可能です。

キャリア自律でミドル・シニア世代の価値は高まる

これまでのキャリアには「Will(期待を読む)」「Can(期待に沿う)」「Must(つぶしがきく)」が求められていました。人生は会社を中心に回っており、そこに自分を合わせる生き方が一般的だったため、第2の人生に持っていけるものはなかったのです。これからは「Will(好きなこと)」「Can(できること)」「Create(夢)」にマインドを変えていかなければならない「キャリア自律の時代」です。そしてキャリア自律のマインドに変えることで、ミドル・シニア世代の価値はもっと高まっていきます。

「Will」「Can」「Create」を実現する方法はさまざまですが、そのひとつが「5M」を取り入れることです。「5M」とは「マインドセット(Mindset)」「ミッション創造(Mission)」「学び(Manabi)」「見える化(Mieruka)」「マルチ化(Multi)」の5つです。徳岡講師の著書『ミドルシニアのための日本版ライフシフト戦略』(WAVE出版)で詳しく紹介していますので、ぜひご一読ください。

意識的に自分をアップデートする

人生の節目節目でアップデートを行い、ライフシフトを実現することが、マルチステージ型人生を生きるために必要なポイントです。その場その場で次の方向を探すのではなく、人生の節目を見据えて次の戦略を立て、自分の力を再整理していくことが必要になります。

また60歳まで会社で働くと、さまざまな力が貯まっていきます。しかし、それらの力もアップデートしていかなければ宝の持ち腐れとなり、どんどん錆びついていってしまう。逆に常にアップデートすることができれば、会社の中でもベテランロールとして「レジェンド(生き字引)」「コネクター(縁結び役)」「イノベーター(永遠の開拓者)」といった、経験豊富なミドル・シニアならではの仕事を見つけることも可能です。

さらにキャリアを自律することは独立への道にもつながります。現在、フリーランスと呼ばれる働き方をしている人は日本では1000万人、アメリカでは5000万人おり、今後も増えると言われています。定年を迎えた後も自分の力を活かし、フリーランサーとしての活躍が期待できます。

ライフシフト大学で80歳現役時代に備えよう

これまでは会社という限られた世界の中で生きてきましたが、これからは自分のミッションや志、思いを広げて生きることが大事になります。ライフシフトを成功させるには成長戦略を立てるだけでなく、さまざまな人との交流も重要です。ライフシフト大学には業種も年齢も異なる方々が集まりますから、多くの人と交流することで新たな発見につながる可能性が高まります。

 

今回は「ライフシフト基礎」についてエッセンスだけお伝えしました。「ライフシフト基礎」本編では、従来の「3ステージ型人生」を卒業して「マルチステージ型人生」にシフトし、80歳現役時代を生きる覚悟を身につけるための方法をじっくりと講義します。

 

第8期から大きく変化するライフシフト大学。募集要項および申込ページはこちらです。ぜひご検討ください。


実際のセミナー動画はこちらです。