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第8期オープンセミナー④「リーダーシップコミュニケーション」レポート

ライフシフト大学ではライフシフト・プランニングやキャリアデザインのような人生設計・キャリア設計を考えたり、ビジネススキルを学び直すこともできます。2023年春に第8期を迎えるライフシフト大学、本レポートでは第4回目となるオープンセミナーの様子をお伝えします。

人を動かすためのコミュニケーション

今回の第4回目(2023年1月11日開催)はライフシフト大学副学長の佐藤勝彦によるオープンセミナー「リーダーシップコミュニケーション」です。リーダーに求められる「人を動かすコミュニケーション」についてご紹介します。

 

まず本プログラムの目指す2つのゴールについて説明します。1つ目は人として、あるいは組織・社会の一員として、コミュニケーションの重要性を再認識することです。コミュニケーションそのものについての理解を深めていきます。2つ目はポジションに関わらず、人をリードするためのコミュニケーションの実践知を学び、変身資産をグレードアップさせることです。

人が動いてくれるようなコミュニケーションを取るにはどうしたらいいのかという実践知を高めることによって、皆さんがこれから描いている今後の豊かな人生、あるいはビジネスライフを過ごすためのコミュニケーションを学ぶ場にしたいと考えています。

クイズで考えるコミュニケーション

ここでクイズを出します。1分間考えてみてください。

1問目「世界の言語の数はいくつあるでしょうか?」2問目「アメリカでは虹は何色でしょうか?」

参加者「世界の言語の数は50?80?」「アメリカの虹の色・・・20色?」

こちらのレポートでは正解を伏せておきますが、我々日本人は「虹は7色」と言葉で教えられているので赤・橙・黃・緑・青・藍 ・紫の7色に見えますよね。つまり我々は言語によってものを認識しているということになります。

イラストクイズもあります。こちらも本レポ―トでは伏せておきますが(気になる方は動画をチェックしてください)、コミュニケーションにおいては知らない言葉は認識できないこと、普段から多面的にものを見る癖をつけておく必要があること、さらに人間の脳の仕組みなどが関わってくることを実際の講義では学んでいきます。

さらにもう一つクイズです。「A.人生は旅のようだ」「B.人生は旅だ」この違いがわかりますか?これは明喩(シミレ)と暗喩(メタファー)についての問題です。どちらがメタファーかぜひ考えてみてください。新聞やテレビではメタファーがたくさん使われていますし、コミュニケーションに優れたリーダーはメタファーを上手に使っています。講義ではこのメタファーについても詳しく学んでいきます。

日本人はなぜコミュニケーションが下手なのか

コミュニケーションは人を動かす力です。話し合いの結果、相手が「あなたの言うことはもっともだから一緒にやりましょう」と納得して行動に移すことで初めてリーダーのコミュニケーションは成立すると私は考えています。

グローバルに活躍するリーダーは、どのように多くの人を惹きつけているのか。どのように相手の言うことを聞きながら合意点を見つけ、行動に移しているのか。日本人はなぜコミュニケーションが下手なのか。何に注意をすれば良いのかなど、リーダーのコミュニケーションについては講義の中で、じっくりと勉強していきます。また、マネジメントとリーダーシップの違いについても学びます。ハーバード大学のコッター教授はマネジメントを「coping with complexity」と言っています。複雑なものにどう対応するか。基本的にマネジメントというものは組織の中でどうやって力を発揮するかということです。

一方のリーダーシップについてコッター教授は「coping with change」と言っています。変化にどう対応していけるか、この能力をリーダーシップと言っています。マネジメントとリーダーシップ、そしてコミュニケーションの関係を実際の講義の中ではじっくりと話し合い、いくつかのエクササイズをやりながら学んでいきます。

コミュニケーションの3要素「発信力・受信力・質問力」

コミュニケーションについては「発信力・受信力・質問力」の3つをポイントに置いてお話をします。日本人が特に弱いのが「発信力」です。これは日本語という言語の曖昧性や日本人の持っている同質性などが関係しているのかもしれません。「受信力」は単に相手の話を聞くだけではなく、相手の考えていること、相手に対してどんなふうに反応するかです。日本人は受信力に関しては比較的得意だと言われています。

3要素の中でも特に重要なのが「質問力」です。質問というのは相手に対するリスペクト、好奇心であり、知的バトルを行うための重要な能力の一つです。コミュニケーションが上手な人やリーダーシップが取れる人は、相手に対して非常にタイミングの良い質問や議論が深まる質問をします。この辺りは事例を踏まえ、皆さんにエクササイズをしていただきながらコミュニケーションの3要素に対する理解を深めていきます。

また、この講義ではコミュニケーションの「発信力・受信力・質問力」をそれぞれ4段階に分けて、それぞれ皆さんがどの段階にあるのか、どうすれば変わっていくのかを3~4人のグループに分けながら、自己診断したり、他の方からコメントをいただいたりしながら、実践知能力を上げていきます。

ライフシフト大学でコミュニケーション力を上げよう

最後にご参加いただいた方からの質問にお答えします。

参加者「日本人の発信力が弱いのはなぜでしょうか? 同質性の国民だからでしょうか?」

日本人は農耕社会の中で同じ民族、同じ場所で長期間にわたって仲間同士で仕事をしていました。そのことが会社生活の中でも続いているので、異文化の人や他社の人と話すということに慣れてないのが理由の1つです。経済成長の中で日本人のコミュニケーション能力が下がったように感じます。

もう1つの理由は日本語の持っている特徴です。日本語を翻訳しても英語には翻訳しづらいという日本語の特徴を、研修の中で具体的にご説明したいと思ってます。

参加者「質問力がコミュニケーションの要素の中で大事だとお話がありました。これはグループワークでトレーニングをするのでしょうか?」

全体でもやりますし、グループでもやります。質問というのはわからないことを聞くだけではありません。相手の考えを引き出す。グループ全体の中でコンセプトを明確にするように問いかける。具体的に説明してもらうといったさまざまな質問の形があります。ある程度質問力が身につくと、ディスカッションが乗ってくるようになります。質問力とは発信力でもあり、受信力でもあるんです。リーダーになる方はこの質問の仕方がうまいんですね。ポイントを突く。相手は詰まりながらも考えが深まる。考えが発展する。質問力次第でディスカッションやコミュニケーションの成否が変わってくると言えます。

実際の講義ではじっくりとディスカッションをしたりティップスを学びます。

第8期から大きく変化するライフシフト大学。募集要項および申込ページはこちらです。ぜひご検討ください。

 


実際のセミナー動画はこちらです。