オープンセミナー記事 Open Seminar

第8期オープンセミナー⑤「アラムナイトークその1」レポート

ライフシフト大学ではライフシフト・プランニングやキャリアデザインのような人生設計・キャリア設計と、ビジネススキルの学び直しを教えているほか、アラムナイ(校友会)による卒業後の交流も活発に行われています。

第5回目(2023年1月20日開催)は「アラムナイトークその1~ライフシフト経験者談、ライフシフト大学で得たもの~」より、ライフシフト大学第4期卒業生の石原淳也さんと三沢三恵さんにお話いただいた様子をご紹介します。

変容する働き方の中で自分が進むべき道をライフシフト大学で見つける

ライフシフト大学第4期生の石原です。今日はライフシフト大学で学んだことが転職にどのような影響を与えたか、新しい職場でどう活かされているかについてお話します。私は1983年に住友商事に入社し、2022年の3月末まで、40年間勤務しました。そのうち14年間は海外に駐在していました。その後、2022年4月から高松市にある香川大学に転職し、現在に至っています。

私がライフシフトを考えたきっかけは、2020年7月に駐在先のサウジアラビアから帰国した際に突きつけられた「ある現実」でした。帰国当初は自身の経験を後輩に伝えていくことが自分の仕事と考えていたのですが、コロナ禍による働き方の変化に加え、自身が長らく携わってきた石油ガス業界も、脱炭素社会に向けた世界の動きの中で変容を余儀なくされており、単なる過去の経験や知識の伝授は役立たないと感じるようになったのです。

学び直しのきっかけは上司からの発言でした。「石原さんの経験・知識を若手に伝授していくためには、石原さんの強みをパワーアップしてもらう必要があります。時代が大きく変わる中で、他流試合もこなしながら強みをアップデートしないと、強みが賞味期限を迎えることになります」と厳しいものでしたが、私にとっては確かな気づきをもたらす一言だったと記憶しています。そのときに人事から紹介されたのがライフシフト大学です。

ライフシフト大学では一連の講義を通じて新時代に必要な考え方やビジネススキルを学びました。特に大きな学びだったのが、講義の最初に行った自身の再評価でした。長年同じ会社にいると、会社の中での存在価値はわかるものの、それが一般社会で通用するかまではわかりません。改めて再評価することで、自身の強み・弱みがより明確になりました。

また新しい仲間との出会いは非常に貴重でした。特に印象的だったのがテーマ演習です。さまざまな業種・世代・出身会社・役職・年齢を超えた5人のメンバーで時間をかけてレポートを作り上げました。そこではいろいろな考え方を得られただけでなく、自身を積極的に表現しないと存在感がなくなることを強く感じました。ライフシフト大学に通っていた時点で転職は強く意識していませんでしたが、大学で学びながらプロボノ活動にも参加し、自身が心からやってみたいことで社会貢献ができないかと考えるようになりました。そんな状況下で出てきたのが、香川大学への転職話です。現在はライフシフト大学で学んだことを香川大学で活用しています。

現在私は3つの信念を掲げています。「できないことを年齢のせい、環境のせいにしないこと」「限界を感じたら悩まず、まず新しい世界に飛び込んでみること」「自分の想いをどんどん発信すること」の3つです。これらを実践することで、自分の望む世界は間違いなく広がってきます。

最後に私の好きな言葉を紹介します。「Experience Never Gets Old(経験は決して年を取らない)」。2015年の米国映画『マイ・インターン』のサブタイトルです。私はこれに「そして学びはその経験をさらに輝かせます」と続けています。

ライフシフト大学は自分と向き合い、出会いと刺激を得られる場

ライフシフト大学第4期生の三沢です。「人生は公人と私人と個人で成り立っている」。これはライフシフト大学のカリキュラムの一つであるインサイトコミュニケーションの授業で多摩大学大学院の久恒先生から学んだ考え方です。まずはこの3つの立場を通して私の自己紹介をします。

最初に「公人」、仕事における私の紹介です。1998年に松下電器産業に入社し、現在はPHC株式会社にて体外診断製品の国内営業を担当しています。次に「私人」としての私ですが、現在は主人と2人の息子との4人家族で暮らしています。子育て中の親が関わるものにPTAの活動がありますが、役員をハズレくじだと感じる方も少なくないでしょう。しかし、これをライフシフトを成功させる「5つの変身資産」の考え方に当てはめると「PTAは子供が学校に通っている限られた時期にだけ経験でき、自分の変身資産作りの貴重な機会になる」と見ることができます。そこで私は昨年のPTA役員を引き受け、新たな知識や仲間を得ることができました。3つ目は「個人」です。公と私、どちらでもない個としての私自身の紹介になります。この「個人」を充実させることが、公私の充実にも大きく影響すると考えています。

さて、個人の私ですが、友人や知人との交流、ボランティアへの参加、趣味の雑貨作りなどのほか、今一番力を入れているのが学びの時間を持つ努力です。私人として活動してきたPTA役員の経験で、PTAのホームページをリニューアルすることを提案しました。それまでホームページ作りは未経験でしたが、ネットやeラーニング等で調べながら、ホームページのリニューアルを行いました。さらにそこで得たホームページ管理の知識を活かして少しでも社会貢献しながら、さらに深く学んでいきたいと思い、昨年10月からはプロボノのボランティアも始めました。公人や私人という周囲から求められている役割から発生する活動ではなく、自分の思いや好きという感情から始まる変身資産を蓄えることに大きく貢献するのが、個人としての時間です。ライフシフト大学での学び直しや仲間作りは、私にとって個人の充実を考える大きなきっかけとなりました。

私とライフシフト大学との出会いは、職場でのキャリア研修で徳岡先生の「人生100年時代、80歳まで現役」という考え方に触れたことがきっかけでした。仕事とは異なる成長の機会の重要性や、自分を軸としたライフワークについて考えるようになり、ライフシフト大学への入学を決めました。実際に通ってみると会社のキャリアイメージだけでは、ライフワークまで考えるには不十分であることに気づき、会社から離れて自分のキャリアを考える視野を持てたことが大きな成果でした。

最後に私自身の経験からライフシフト大学の良いところを3点紹介します。1つ目は「ビジネスの基礎となる理論に加えて最新の情報をコンパクトに体系的に学び直せる点」です。世の中は変化し続けており、新しい理論や成功事例というのが次々に生まれています。学び続けて自分の知識を補強していくことは、中高年だからこそ重要であると認識しました。2つ目は「テーマ演習で異なる業種の受講生と一緒に取り組み、多様性の力を感じられる点」です。業界や世代による違いや、共通点など多様性の中から新しいアイデアが生まれてくる経験は本業にも応用できる貴重な経験でした。3つ目は「卒業後も同期生や校友会などの繋がりが充実している点」です。自分の生活圏から離れたコミュニティが卒業後も継続するため、刺激を受け続けることができます。

私にとってのライフシフト大学とは、「自分と向き合う場」であり「出会いと刺激の場」でした。皆さんにとっても、自分を軸としたライフワークを考えて行動を起こすきっかけになると思います。

Q&A~ライフシフト大学に通ってみて~

最後に登壇したお二人に参加者からさまざまな質問が寄せられました。

参加者「ライフシフト大学と本業との両立に難しさを感じませんでしたか?」

石原さん「私の場合は60歳を過ぎて目の前の仕事がそれほど忙しくなかったので何とかなりましたが、周りには現役の方もいらっしゃいました。しかしやっていることが楽しかったので、現役の方も時間的には大変だったとは思いますが、楽しみながら両立もできてきたと思います」

三沢さん「私の場合はライフシフト大学の日程をあらかじめブロックすることで時間を作り、また仕事を組み立て直す工夫もできました。ライフシフト大学を卒業して、元の生活に戻ってしまったら、せっかく学んだ“学び直しをし続ける大切さ”を実践できなくなってしまうので、そのリズムを自分で作る練習にもなったと思います。もちろん多少の努力は必要です」

参加者「石原さんが香川の地で糧を見つけられた話が非常に印象的でした。ライフシフト大学やプロボノを通じて、ライフワークになる糧が降ってきたのでしょうか?それともじわじわと見えてきたのでしょうか?」

石原さん「じっと座っていたら降ってこないと思います。とにかく積極的に出ていく。人と話して、さまざまな経験をしていく中で、いろいろなものが見えてきます。その頻度が高ければ高いほど、早くそういう自分のものを見つけられると思います。自分が若い頃に本当やりたかったことを振り返ることも、自分の大事なことを見つける手段だと思います」

参加者「同じ目線を持った仲間との出会いが大きかったとお話がありましたが、卒業後はどのような繋がりを持っているのでしょうか?」

三沢さん「まず同期の方々とは年に1回集まって、自分たちの1年間の行動や活動を報告して、お互いに刺激をし合っています。同期生とは頻繁にLINEでやり取りをしたり、実際に会ったりして、仕事の悩みやアイデアの相談をする関係性を継続しています。その他、校友会で卒業生と期をまたいだ連携ができる取り組みもあります。その中で私は読書会に参加していて、リベラルアーツ的な意見交換を通しながら、学びや気づきを得る活動を継続しています」

石原さん「私もテーマ演習をした人たちとは今でもつながっていて、中には高松に来てくださった方もいらっしゃいます。今は教育関係の仕事をしているので、仕事と講師の両面でいろいろな話をしています」

第8期から大きく変化するライフシフト大学。募集要項および申込ページはこちらです。ぜひご検討ください。

 


実際のセミナー動画はこちらです。