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第9期オープンセミナー⑤「アラムナイトーク①」レポート

ライフシフト大学ではライフシフト・プランニングやキャリアデザインのような人生設計・キャリア設計と、ビジネススキルの学び直しを教えているほか、アラムナイ(校友会)による卒業後の交流も活発に行われています。

今回は『アラムナイトーク①~ライフシフト経験者談、ライフシフト大学で得たもの~』(2023年7月11日開催)より、第4期卒業生の石原淳也さんと三沢三恵さんにライフシフト大学での体験談を語っていただいた様子をお届けします。

ライフシフト大学で自分の価値を再認識し転職を決意

第4期の石原です。私はライフシフト大学で何を学び、その学びが転職に与えた影響や、新しい職場でどう活かされているかについてお話します。

まず簡単に自己紹介をします。1983年に住友商事に入社し、14年ほど海外勤務を経験しました。2022年3月末の退社後は香川大学に転職し現在に至ります。コロナ禍の2020年7月に定年を迎え、最終駐在地だったサウジアラビアより帰国しました。「帰国後は自分自身の経験を後輩に伝えることが自分の仕事」だと考えていましたが、コロナ禍によって働き方が変化しており、さらに長く関わってきた石油ガス産業も脱炭素化に向けた世界の動きの中、変容を余儀なくされていました。つまり過去の経験や知識はそのまま伝授しても役に立たないという現実を突きつけられました。

そんなときに上司から「石原さんの経験や知識が若手に伝授されることを期待していますが、その期待に応えるためには石原さんの強みをパワーアップしてもらう必要があります。時代が大きく変わる中で他流試合をこなしつつ強みをアップデートしないと、石原さんの強みは賞味期限を迎えます」と厳しい一言をいただき、これが学び直しのきっかけとなりました。

そこで人事部より紹介されたのがライフシフト大学です。「人生100年、80歳までの現役時代を見据え、中高年の学び直しの場」「人生を豊かにするための視野拡大の他流試合の場を提供する」という大学のキャッチフレーズに強く惹かれたのを覚えています。

私が感じるライフシフト大学の魅力についてお話します。まずは講義内容が充実している点。双方向の授業で、いつ指名されるかわからない緊張感がありますが、その場で多くのことを体得しました。一番印象深かったのがテーマ演習です。5人のメンバーで時間をかけ、夜中までかかってレポートを作り上げました。

ライフシフト大学では一連の講義を通じて新時代に必要な考え方やビジネススキルを学びましたが、一番大きかったのが自分自身の再評価です。一つの会社に勤め続けると会社内での存在価値はわかりますが、それが社会で通じるかはわかりません。ライフシフト大学で与えられた再評価の手法を使うことで、自分が強みだと思っていたことがそうでもなかったり、逆に弱みだと思っていたことが強みだったりと、非常に大きな気付きを得ました。

ライフシフト大学では「仕事中心からライフ全体へ」「自分のためから世のため人のため」「社内目線から社会目線」の3つの視点転換に成功しました。これらは転職だけでなく一つの会社で働き続ける場合にも非常に重要な視点だと思います。

実際にライフシフト大学で勉強した時点では、転職を意識していなかったのですが、大学で学び、プロボノ活動に参加する中で「心からやってみたいことで、なおかつ社会貢献できることはないか」と考えるようになりました。そんな折に入ってきたのが、香川大学への転職話です。ライフシフト大学で学んだことは転職先の香川大学でも活かされています。

私は信念として「できないことを年齢のせいにしない、環境のせいにしない、人のせいにしない」「やるかやらないかを迷ったときは必ずやる」「どんどん自分の思いを外に発信する」の3つを掲げています。特に3つ目は言葉だけでなく書いて発信する。それによって自分の思いがより正確に整理でき、同志を増やすことにも繋がります。

最後に私の好きな言葉を紹介します。「Experience Never Gets Old(経験は決して年を取らない)」。これは2015年の米国映画『マイ・インターン』のサブタイトルです。私はこの言葉の後に「そして学びはその経験をさらに輝かせます」とつなげています。

ライフシフト大学はライフワークを考え行動を起こすきっかけとなる場

第4期の三沢です。私はライフシフト大学での学びと、そこで得た仲間に刺激を受けて、自分のキャリアに対する考え方が変わりました。「人生は公人と私人と個人で成り立っている」。これはライフシフト大学のカリキュラムの一つである多摩大学大学院の科目履修で受講したインサイトコミュニケーションの授業で久恒先生より学んだ考え方です。この3つに沿って自己紹介をします。

まず「公人」、仕事における私です。1998年に松下電器産業に入社し、現在はPHC株式会社で体外診断製品の国内営業を担当しています。

次に「私人」、家庭における私ですが現在は主人と2人の息子の4人家族で暮らしています。子育てにおいてPTAの役員になることは「ハズレくじを引いた」と面倒に思いがちですが、考え方によっては子どもが学校に通っている限られた期間にしか経験できないPTA活動は、新たな知恵や仲間を得る「自分の変身資産づくり」の貴重な機会になるということを、ライフシフト大学に入ったことで気付きました。

最後に「個人」としての私は、友人や知人との交流やボランティア活動への参加、趣味の雑貨作りに加え、学びの時間を持つ時間を持つことに力を入れており、この「個人」の部分を充実させることが、公私の充実にも大きく影響すると考えています。

例えば「私人」として活動しているPTA役員の経験で得たホームページ管理の知識を活かし、2022年10月よりプロボノのボランティアを「個人」として始めました。「公人」「私人」という周囲から求められる役割から発生する活動ではなく、自分の思いから始まる変身資産を蓄えることに貢献するのが「個人」としての時間です。ライフシフト大学での学び直しや仲間作りは、この「個人」の充実を考える大きなきっかけとなりました。

私がライフシフト大学に通うことを決めたきっかけは、職場のキャリア研修で徳岡先生と出会い「人生100年時代、80歳まで現役」という考え方に触れたことです。業務の中での成長とは異なる成長機会の重要性や、個としての自分を軸としたライフワークについて考えるようになり、ライフシフト大学への入学を決意しました。会社でのキャリアイメージだけではライフワークを考えるには不十分であり、会社から離れた視点で自分のキャリアを考える視野を持てたことが、ライフシフト大学に通って得た大きな成果です。

最後に私が考えるライフシフト大学の良いところを3点紹介します。1つ目は「ビジネスの基礎となる理論に加え、最新の情報をコンパクトに体系的に学び直せる点」。世の中が変化し、新しい理論や成功事例が次々に生まれているので、学び続けることで自分の知識を補強することは中高年だからこそ重要だと意識しました。2つ目は「テーマ演習で異なる業種の受講生と一緒に取り組み、多様性の力を感じられる点」。業界や世代による違いや共通点など、多様性の中から新しいアイデアが生まれてくる体験は、本業でも応用できる貴重な経験でした。3つ目は「卒業後も同期や校友会とのつながりが充実している点」。日頃の生活圏から離れたコミュニティでの人脈構築や刺激が満載です。

私にとってのライフシフト大学は「自分と向き合う場」かつ「出会いと刺激の場」でした。皆さんにとっても自分を軸としたライフワークを考え、行動を起こすきっかけの場になると思います。

Q&A~ライフシフト大学で出会った仲間との関係~

次にファシリテーターを務めたライフシフト大学藤田学長より、登壇者の2人に質問がありました。

藤田「ライフシフト大学卒業後の仲間とのつながりはどうなっていますか?」

石原さん「グループ演習のメンバーとは頻繁に会話しています。また先生方からは私の地方での活動をご支援いただいています」

三沢さん「年に数回、同期の集まりが続いています。校友会という期を超えたメンバーとのつながりの場が提供されているのも、私の生活に影響を与えていると思います」

藤田「石原さんは商社から大学の先生に転換されましたが、そこで苦労していることはありますか?」

石原さん「ライフシフト大学で自分を見つめ直したときに、高校の先生になりたかったことを思い出しました。業界どころか世界がまったく違うのですが、やりたいことをやっているので苦痛はまったくないです」

藤田「ライフシフト大学は女性の割合が3割くらいですが、その点で三沢さんは何か感じましたか?」

三沢さん「和気あいあいとしていて、困ったことはありませんでした。テーマ演習で女性の視点を求められることがありましたが、性別・年齢・業種の違う人たちの意見が交わることで新しいアイデアが生まれることもあったので、この多様性が良い影響を与えていたと思います」

以上、卒業生に実体験を伺いました。ライフシフト大学での学びをイメージいただけたら幸いです。

 

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