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第9期オープンセミナー⑥「80歳現役力を蓄える、5つの能力 変身資産とは」レポート

ライフシフト大学ではライフシフト・プランニングやキャリアデザインのような人生設計・キャリア設計を考えたり、ビジネススキルを学び直すことができます。今回は「80歳現役力を蓄える、5つの能力 変身資産とは」(2023年7月26日開催)をテーマに開催されたオープンセミナーより、キャリア設計に欠かせない「変身資産」について、ライフシフトコンサルタント唐澤明佳が解説します。

人生100年時代を生き抜くための「変身資産」

今回のオープンセミナーでは、この「変身資産とは」「ライフシフトアセスメントとは」「変身資産増強計画」の3点について簡単にご案内します。

まず変身資産とは一体何なのか。ライフシフト大学では「ライフシフトに必要な変化対応力の要素」と定義づけています。変化が激しい世の中で、その変化に自分自身も合わせて対応しながら、自分らしく最後まで生き抜く。そのために必要な基本となる力だとお考えください。

なお、リンダ・グラットン氏の著書『LIFESHIFT』にも変身資産というキーワードが出てきますが、ライフシフト大学でご案内している変身資産とは日本で生活して、キャリアを積み上げてきた私たちにとって馴染みやすく、未来を描くために役立つものということで、別物としてご認識いただければと思います。

さて、変身資産は5つの要素(マインド・知恵・仲間・評判・健康)と、それぞれの要素を構成する3つの力、全部で15個から成り立っています。この変身資産が必要とされる世の中の変化について、改めておさらいしておきましょう。人生100年時代ということで、私たちの寿命は伸び続けています。実際に2021年の最多死亡年齢を見ると、男性が85歳、女性は92歳で亡くなった方が一番多いという数字が出ています。

寿命が長くなると、今までのようなキャリア・人生プランが通用しなくなります。人生が長くなると当然お金が必要ですし、生き生きと暮らすためには自分の居場所も必要です。これまでは教育を受けて、新卒で会社に勤め、退職して悠々自適な老後生活という「3ステージ型の人生」が主流でした。しかし人生が長くなるということは、ビジネスパーソンとしての時間も伸びていくということです。ですから65歳で定年退職ということはなく、場合によっては80歳現役まで、私たちは社会に属しながらも自分の学び直しを続け、キャリアを積んだり、社会貢献をしたりして収入を得続けていくというふうに変わっていきます。

また雇用スタイルも終身雇用からジョブ型雇用へと徐々に変わってきていますし、私たちの人生における選択肢も増えています。したがって今の会社に依存するのではなく、自分自身がどこを目指しているのか、何をやりたいのかを考えながら、自律してキャリア形成をしていくことが求められます。

自分自身がやりたいこと「Will」を掘り起こす

従来のキャリアにおいては「Will・Can・Must」の3つが重視されていました。会社のWillに向かって、自分ができること(Can)をしながら、会社から与えられたことをきっちりとこなしていく(Must)という働き方が主流だったわけです。

しかしキャリア自律の時代においては「Will・Can・Create」が重要になります。すなわち自分自身のやりたいこと(Will)を持ち、自分のできること(Can)を活かしながら、自分が生み出せるものをどんどん作っていく(Create)に変わっていくわけです。この「自分のWill」を持つことが非常に重要になります。

しかし、自分のWillを見つけるというのは意外と難しいものです。これまで会社から与えられてきた仕事を一生懸命こなしてキャリアを積んでこられた40代・50代の方々に、自分がどうしたいのかと聞かれても「今さら考えられない」と答えられる方が非常に多い。そこでWillを見つけるためのヒントをいくつかご紹介します。

まずはご自身のキャリアを振り返り、その中でどのような体験を積んできたか、どのような感情を抱いてきたかを掘り下げていきます。やりがいを感じたのはどんなときか、どうしてやりがいを感じたのか、何に満たされたのかなどを深掘りしていきます。ライフシフト大学では実際にワークとしてご用意しています。

また、子どもの頃の夢も大きなヒントになります。小さい子どもに「将来何になりたい?」と聞くと、サッカー選手やケーキ屋さん、お嫁さんなどいろいろ出てきますよね。私は子どもの頃「ゼリー屋さん」になりたいと思っていました。ゼリーが好きだったので、おいしいゼリーで自分もお客さんも幸せになると思っていたんですね。参加者の方はいかがでしょうか?

参加者「テレビで野球中継を観て、スポーツ選手になりたいと思っていました」

スポーツ選手、良いですよね。活躍する姿から勇気をもらえますし、かっこいいと思うだけでも目指したいと思います。ここで、なぜスポーツ選手になりたいと思ったのか、スポーツ選手になってどうしたかったのかを問いかけてみることが重要です。例えば何かに打ち込んでいる姿がとても生き生きしてかっこよかった、みんなの憧れの的になる存在は素敵だと思ったなど、いろいろとキーワードが出てきます。キーワードが出てきたところで、それはスポーツ選手じゃなくても憧れの的になったりすることができないかを考えます。このように自分自身が幼い頃に目指した姿から、自分のWillを掘り起こしていく。さらに今までの人生で培ってきたものを武器として加えながら、このWillをどう表現していけるかを考えていく。このようにして自分のWillを見つけていきます。

変身資産を活かしてWill実現のための行動計画を作る

変身資産に話を戻しましょう。変身資産とは「マインド・知恵・仲間・評判・健康」の5つの要素から成り立っていましたね。「マインド」は変化に対して前向きでいる精神力、「知恵」は変化を読んで活用していくための実践知、「仲間」は変化から助け合って知を生み出す友、「評判」は変化の中で埋没しない信頼とアピール力、「健康」は変化を乗り切る基礎体力になります。

さらにそれぞれの要素は3つの力によって構成されています。「マインド」は「ポジティブマインドセット/未来への思い/チャレンジ精神」、「知恵」は「知識・経験/スキル/教養」、「仲間」は「親しい友人/ビジネスネットワーク/ソーシャルネットワーク」、「評判」は「自己PR力/共感力/影響力」、「健康」は「運動/食事・睡眠/こころ」です。

これらの変身資産はみなさんの中にもしっかりと備わっています。しかし文字にすると「一体どの力がどれだけ蓄えられているのだろう」「あまりないような気がする」と悩んでしまうかもしれません。

ライフシフト大学では変身資産を見える化するためのツールとして「ライフシフトアセスメント」を用意しています。これは設問形式になっており、設問に対して率直に回答することで、どの資産がどれだけ蓄えられているかを見える化するものです。見える化によって「ここは自信を持って良いところだったんだな」「ここは今まで意識してこなかったから意識的にそだてよう」といった行動変化につながり、さらに自分のWillに向けて、どの資産を活用するかを考えながら計画を立てることもできます。

現在、組織や会社に属している方も多いと思います。変身資産は組織の中にいるうちに蓄えておくことがおすすめです。組織内にはちょっとした意識の変化や努力だけで繋がれる人材がたくさんいますし、自分の中に取り込める知識がたくさん転がっています。社外の人とつながるにも会社の肩書は強い武器になります。

ライフシフト大学では、見える化した変身資産を自分のビジョンに活かすために、変身資産増強計画にも取り組んでいただいています。自分の変身資産がどれくらい蓄えられたかを確認し、今後活用していくためには、何を蓄えていけばよいのか、いつまでに何をすれば良いのかを行動計画に落とし込んでいくワークです。人生100年時代、時代の変化に対応しながら自分自身も成長するための基礎体力となるのが変身資産です。ライフシフト大学では、他の受講者さんと意見を交換したり、アセスメントをシェアしながらビジョンを磨き合い、行動計画に落とし込むことで変身資産を加速度的に増やしていきます。

ライフシフト大学第9期 募集要項および申込ページはこちらです。ぜひご検討ください。

 


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