オープンセミナー記事 Open Seminar
第9期オープンセミナー⑧「最終回~プログラム説明会~」レポート
ライフシフト大学は、ライフシフト・プランニングやキャリアデザインのような人生設計・キャリア設計と、ビジネススキルの習得、そして活発な講師や卒業生同士のネットワーク構築など、人生100年・80歳現役時代を豊かに過ごす学び直しの場です。最終回の今回(2023年8月14日開催)は「リスキリングで人生100年時代に備える!あなた自身が気づいていない強みや特徴が必ず引き出される…日本唯一のライフシフトに特化したキャンパス ライフシフト大学オープンセミナーで最強の講師陣・異業種の仲間とともに戦略的学び直しを体験しよう」をテーマに、ライフシフト大学の藤田英樹学長から、ライフシフト大学の特徴や学びのエッセンス、思いなどについて紹介します。
ライフシフト大学で自分の強みや特徴を引き出し、人生100年時代に備える
ライフシフト大学は人生100年時代、80最現役時代を生き抜く学び直しの場です。自身が気づいていない強みや特長を引き出し、生涯現役力を身につけることで人生100年時代に備える。これがライフシフト大学の役割です。
さて一つ知っておいていただきたいことがあります。日本人は世界の中でも優秀な国民と言われていますが、実際はどうなのでしょうか。リクルートワークス研究所が2018年に行った「全国就業実態パネル調査2018」によると、学ぶ習慣を持っていない人が7割弱いるという結果が出ています。また25歳以上の学び直しの割合を見ると日本はOECD諸国の中で下から2番目、2.5%という驚くべき数字が出ています。さらにアジア諸国と比べてみると「自己啓発活動を何も行っていない」という回答が、中国6.3%、韓国12.3%、台湾13.0に比べ、日本は46.3%と圧倒的に高い。ASEAN諸国のインドネシアやマレーシアも一桁台なので、学ぶ習慣がない日本人が明らかに多いことがわかります。
現在、岸田政権下で「リスキリング」「リカレント教育」という言葉がに注目され、国の予算もこちらに振り分けられつつあります。企業も政府も、シニア世代に向かって「学ばなくてはいけない」と声を上げているわけですが、ここで一度「リスキリング」「リカレント」「アンラーニング」について整理してみましょう。
「リスキリング」は目の前のスキルをアップデートすること。例えばプログラムの勉強や資格取得の勉強といった短期的な学びを指します。「リカレント」は学び直しに近い言葉ですが、日本では再就職に役立ったり、最近の技術や概念をキャッチアップしたりといった意味で使われています。
「アンラーニング」は本質的な学び直しをするという意味です。LearnにUnが付いているので「学ばない」ことだと勘違いしがちですが、正確には「学び直し」「学びほぐし」を意味しています。今まで学んできた固定的な知的資産はすでに古くなっているかもしれない、それを一度ほぐして、新たな学びや経験をしていこうということです。
ライフシフト大学には、リスキリングやリカレント的な内容の講義もありますが、それはあくまでも表層的な学問であり、根底にあるのは学び直し、アンラーニングをするというマインドチェンジと、その習慣を付けることを第一義に置いています。
自分のLIFEを豊かにし、マルチステージ型人生を生きる
もう一つライフシフト大学で学んでいただく重要な視点として「3ステージ型人生」「マルチステージ型人生」があります。これまでの日本人は学生時代・会社時代・老後という3ステージ型の人生を送ってきましたが、今はマルチステージ型の人生にどんどんシフトしています。
その背景には人生80年時代となり、元気で働ける時間が伸びていることが挙げられます。会社時代の40年が60年になるため、物理的にも環境的にも新しい職に就く猶予ができるし、またそうせざるを得ない状況です。もちろん仕事だけでなく、旅や趣味といった広い意味で人生を謳歌することも寿命が伸びたことによって可能になっています。
3ステージ型人生からの卒業、すなわち今の組織や仕事だけに忠実になり、会社任せの人生(Dedault future)から脱し、経験を広げ、将来の可能性を自分で作り込む未来(Crafted future)を考えることが必要です。ライフシフト大学ではそのきっかけとなるさまざまな価値を提供しています。
特に40代以降になると活力の低下やポストの現象など、さまざまな環境変化があります。その中で社内で活躍する道もあれば、第二・第三の人生を歩んでいく道もある。いずれにしても選択肢を幅広く持つことが重要で、そのために知の再武装や市場価値のアップが求められています。
ところでライフシフト大学の提唱するライフシフトは転職を勧めるものでも、キャリアチェンジを推奨するものでもありません。ライフシフト大学では「ライフデザイン×キャリアデザイン×イノベーターシップ」を掲げています。どの方向に進むにせよ自分の価値を高め、社会や組織、家庭に対する貢献価値を高め、そのための武器や考え方を身につけることで、単なるキャリアにとどまらず、自らのライフに向き合い、ライフを豊かにする学びの場、これがライフシフト大学です。
そこで「LIFE」の4文字にかこつけて「Lerning」「Innovatorship」「Future」「Encounter」の4つを大学のコアバリューとしています。Lerningは自らの強み・弱みを把握し、講師陣とともに深い学び直しを経験することで、内からの自信が湧いて、自分最高の自分に磨き上げるお手伝いをする。
Innovatorshipはイノベーションとリーダーシップからの造語で、マネジメントとリーダーシップの上位にある概念だと捉えてください。単なる改革ではなく価値のある改革、だいそれたものでなくても周囲を動かしたり、組織や社会に貢献をしたり、自分自身の充実度を高めたりする。
Futureは先を考える、中長期的な未来に目標を置き、そこを目指して自分がすべきことをアップデートし習慣化することで選択肢を広げる。
Encounterは異業種・異業界の出会いの場を通じ、今までに出会ったことのない、話したことのない世界の人たちと話ができ、新しい視野や気付きを得ることで、未知の自分や異業種の仲間、師やメンター、アラムナイ(校友会)など今後の人生につながる出会いやネットワーク構築ができる。この4つがライフシフト大学のコアバリューです。
ライフシフト大学で学ぶ「変身資産」と「Innovatorship」
ライフシフト大学ではさまざまな学び直しのためのツールを用意していますが、今日は変身資産という考え方について紹介します。もともとはリンダ・グラットンさんの『LIFESHIFT』における資産の一つなのですが、我々は発展的に内容を整理しました。「マインド」「知恵」「仲間」「評判」「健康」の5つの力を伸ばすことで80歳まで現役の力を蓄えるというものです。
さらにマインドは「ポジティブマインドセット、未来への思い、チャレンジ精神」、知恵は「知識・スキル、経験の幅、教養」、仲間は「親しい友人、ビジネスネットワーク、ソーシャルネットワーク」、評判は「発信力、共感力、独自コンテンツ」、健康は「運動、食事・睡眠、こころ」と細分化することができます。これらの力を受講生が今どれだけ持っているか、そしてライフシフト大学で学びを終えた後にどう変化しているかを客観的に査定して、言語化して仲間同士で話し合うということをやっています。
また先ほどお話したInnovatorship、これも5つの要素で構成されています。「未来構想力」「実践知」「突破力」「パイ(π)型ベース」「場づくり力」の5つで、これらと前述の変身資産5つがあたかも縦糸と横糸のようにライフシフト大学のカリキュラムを作り出しています。
最後に皆さんの心に残っていただくと良いなと思う言葉を2つ紹介します。1つ目は江戸時代の儒学者・佐藤一斎の「少にして学べば壮にして為すこと有り 壮にして学べば老いて衰えず 老いて学べば死して朽ちず」。一般的にミドルは「壮」を指しますが、佐藤一斎は少や壮、老が必ずしも年齢に結びつくものではないとしています。いくつになっても学ぶということは、何らかの価値をもたらすものであり、それが世の中の役に立つかもしれないし、自分に大きく跳ね返ってくるということです。
2つ目は私がかつて勤めていたパナソニック、松下電器創業者である松下幸之助翁の「日に新た 今日の最善、明日の最善」。これは身近なイノベーションです。日に日にイノベーティブなことを考え行動し、今日の最善は明日になったら最善ではないかもしれない。だからまた最善を目指す。この繰り返しが重要だということです。
以上、ライフシフトの学びのエッセンス、生涯現役に関する思い、私の気力を奮い起こす言葉を皆さんに共有させていただきました。
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